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理事長ご挨拶


「ニュー禁煙社会の創造」

一般社団法人禁煙推進学術ネットワーク
理事長 藤原 久義

私は、今後2年間、禁煙推進学術ネットワークの理事長を継続することになりました。
ご承知のように、巨大な社会変容が世界・日本に生じています。
再任理事長挨拶として、抱負を述べさせていただきます。


withコロナ・ウクライナ・新型タバコ・人口問題に伴う新しい生活様式
- 禁煙推進も情報AI化・エビデンスの時代へ -

→withコロナ時代になり、デジタル化・テレワーク等の非接触社会への移行という大きな社会変容はますます促進され、情報AI化の流れは大きくなるばかりです。
また、2022年2月末より ロシアのウクライナ侵攻が始まり膨大な難民、食料品や石油等の価格の値上げによる国際経済の混乱、情報戦争の現実化に加え、核戦争という第3次世界大戦への危惧が生じています。ここでも情報AI化の流れはますます加速しています。 一方、わが国では超高齢化・超少子化・超総人口減少が世界の先端を切って同時進行しています。生産年齢人口が著しく減少するわが国では、国民がこれまで同様に文化的で豊かな生活を維持するためには、ロボット活用、情報のデジタル化、テレワーク等による仕事の省力化・効率化をはじめとした情報AI化の推進が必須です。
さて、わが国の喫煙者は、減少してきたとはいえ、現在、約2,000万人も存在し、健康被害は膨大で(喫煙による年間死亡者13万人、受動喫煙による年間死亡者も1.5万人)、総死亡リスクの中で喫煙は最大のリスクファクターです。
このため、厚労省は喫煙率を2022年までに12%にするという目標値を設定していましたが、2019年においても17%と達成は困難となっています。

それに対し、2020年4月1日からわが国では受動喫煙防止法(改正健康増進法)が全面施行され、受動喫煙防止はマナーからルールへと変わりました。今後、この法律施行の成果即ち健康被害の予防効果についてのエビデンスの検討が必須です。また、新型タバコの一種である「加熱式タバコ」はわが国で2016年に初めて全国発売されてから世界の使用量の大半が我が国で販売され、2019年には我が国の喫煙シェアの25%も占めるようになりました。この加熱式タバコを発売しているフィリップモリス自身が「紙巻タバコすべてを煙の出ない製品に切り替えること」を社是とし、日本で発売されている加熱式タバコがCOPDやIHD(虚血性心疾患)についてハームリダクション効果があることを示唆する論文を発表しています。加熱式タバコの健康被害の実体について信頼できる臨床データがない現在、我々自身が、加熱式タバコがハームリダクション効果があるか否かを明らかにする臨床データを日本から発出することは喫緊の課題です。
そこで、禁煙推進学術ネットワークとして、上記の社会変容を踏まえ、今こそ、禁煙推進も情報AI化へ移行するとともに、新型タバコに対する科学的エビデンスを創り、「ニュー禁煙社会の創造」を目指したいと思います。

何をすべきか?

  1. 禁煙推進に情報AIの活用を!
  2.  ① アプリを用いた新しいオンライン禁煙診療の推進
     ② ネットワーク活動の全分野のオンライン・デジタル化
       広報活動、学術会議、講演会、情報収集、会議、事務局(テレワーク等)
  3. 2022年までの喫煙率12%の目標達成および新型コロナ重症化対策として、一層、禁煙推進を促進する(特に新規保険禁煙治療法の提案並びに学会・メディア等での禁煙広報の新しい在り方の工夫等)。
  4. ビックデータ(JROAD:循環器疾患診療実態調査)等を用いて、「改正健康増進法の施行」及び「加熱式タバコの普及」がわが国の健康被害を改善するか否かを調査・解明する。
  5. 現在、禁煙推進学術ネットワークは日本内科学会等32学会で構成されていますが、禁煙推進活動増強のため、特に外科系学会等の加入増加を目指す。

最後に

巨大な社会・生活変容に対し、情報AI化の推進とエビデンスに基づく「ニュー禁煙社会の創造」を目指して頑張りましょう!                                                                                          会員・関係者・市民の皆様と共に新しいアイデアを出し合い、この2年間ベストを尽くしますので、ご支援のほどよろしくお願い致します。

2022年8月1日
禁煙推進学術ネットワーク理事長
藤原 久義