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代表理事ご挨拶


「禁煙社会実現に向けて」

一般社団法人禁煙推進学術ネットワーク
代表理事 朔 啓二郎
(福岡大学名誉学長)

 2024年の禁煙推進学術ネットワーク理事会において、本学会創設者、藤原久義名誉理事長の後任として選出されました。よろしくお願いいたします。

 現在、社会が大きく、そして急速に変化しています。予測不能な、複雑性が絡み合う、将来が見通せない、そんな時代になってきたと感じるのは、私だけではないはずです。世界では戦争が勃発し、正義の意味さえも曖昧になる国際間の衝突があります。一方、わが国では超高齢化・超少子化・超総人口減少が世界の先端をきって同時進行し、2024年の出生数は過去最少の72万人でした。生産年齢人口が著しく減少するわが国では、国民がこれまで同様に文化的で豊かな生活を維持するためには、情報のデジタル化、仕事の省力化・効率化をはじめとした情報AI化の推進、組織においてはデジタル推進局の構築やデジタル知識の向上・教育が必須です。一方、SNSや様々な媒体を通じての情報拡散は、信ぴょう性、正当性、フェークか否か、ゴミのような情報も溢れ、同時にコミュニケーションが欠如する傾向になります。様々な技術や21世紀型スキルが求められている今日、あらゆる手立てを講じて、皆様とともに「禁煙社会実現に向けて」、進化すべきと思います。
 わが国の喫煙問題ですが、膨大な喫煙者がいます。直近では2022年の国民健康・栄養調査に基づいて厚生労働省の発表(2024年8月)ですが、20歳以上全体での14.8%、約1,500万人がタバコを吸っている。そして、20歳以上の男性の24.8%、女性の6.2%が喫煙者です。いずれも、過去最低の喫煙率になってはいますが、ゼロにするにはさらなる努力が必要です。喫煙による死者ですが、2011年の報告では13万人/年だったものが、2019年では21.2万人/年と増えています。受動喫煙による死者も毎年1.7万人です。総死亡リスクの中で喫煙は最大のリスクファクターです。サイエンスで一番正しいことは、「ヒトは必ず死ぬ」エビデンスですが、超高齢化社会において喫煙が最大の敵になってます。
 2020年4月1日からわが国では受動喫煙防止法(改正健康増進法)が全面施行され、受動喫煙防止はマナーからルールへと変わりました。今後、この法律施行の成果、即ち健康被害の予防効果についてのエビデンスの検証が重要項目になります。私たち禁煙推進学術ネットワークの目的の一つとして、監督官庁への政策提言を定款に挙げてますので、その検証を様々な方略で実施し提言としてまとめていきます。
 また、新型タバコの一種である「加熱式タバコ」は、2016年日本で発売されたもので、世界の使用量の大半が日本です。2019年には、本邦の喫煙者シェアの25%を占めるようになりました。日本で発売されている加熱式タバコが、閉塞性肺疾患(COPD)や虚血性心疾患(CAD)においてハームリダクション効果があるか否かの科学的証明は、日本の臨床研究からしか発出できないので、それも努力したいと考えます。
 禁煙推進学術ネットワークは、上記社会状況を踏まえ、今こそ、会員の皆様と新しいアイデアを出し合い、ベストを尽くしたく、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

2025年1月吉日
禁煙推進学術ネットワーク代表理事
朔 啓二郎