禁煙推進学術ネットワーク


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理事長ご挨拶

「新型コロナから、ニュー禁煙社会へ」

理事長写真

一般社団法人禁煙推進学術ネットワーク
理事長 藤原 久義

私は、今後2年間、禁煙推進学術ネットワークの理事長を継続することになりました。ご承知のように、新型コロナパンデミックにより巨大な社会変容が世界・日本に生じています。
再任理事長挨拶として、抱負を述べさせていただきます。

<新型コロナパンデミックに伴う新しい生活様式:
禁煙推進も情報AI化へ>

世界の新型コロナ感染症の患者数・死亡者数の増加はとどまることを知らず、9月初旬で世界(日本)で感染者数2900万人(7.6万人)・死亡者数92万人(0.15万人:90%は60歳以上の高齢者)に達し、WHOは100年に一度のパンデミックとしています。重症化因子として高齢、男性、糖尿病、呼吸器疾患、心疾患、癌、肥満と共に喫煙(オッズ比1.9)が挙げられています。幸い、欧州・南北米等と比較し、わが国並びに東アジアの国々のこれまでの人口当たりの感染者数は約10分の1、死亡者数は約50分の1と少なく、その理由について交叉免疫、生活習慣、医療・介護体制等指摘されていますが、確定的なことは分かりません。いずれにせよ、ウイルスに対する特効薬・ワクチンのない現状では、接触感染・飛沫感染の予防のための三密(密閉・密接・密集)回避、マスク・手洗い・手指消毒・ソーシャルディスタンスを各自徹底すると共に感染者の隔離と対症療法以外に方法はありません。

わが国においても、感染対策として、都会(特に東京)への出張、各種飲み会・懇親会、病院・介護施設への見舞い、結婚式、葬式、帰省、県外・海外への旅行、大会場での観劇・スポーツ観戦・遊興施設の催し等が相次いで中止となるというかって経験したことのない事態に対し、これらのオンライン化(WEB化)が進展しています。同時に職場・学会・会合・会議・授業等のオンライン化、テレワーク、情報のデジタル化に加えて、医療領域ではオンライン診療・介護等が日常化し、かえってこの方がよいという声も聞こえます。すなわち情報AI化(ソサイエティ4.0から5.0)を軸にした非接触社会への巨大な社会・生活変容が始まっています。しかし今回の事態は、我が国の情報AI化、特にデジタル化が、諸外国と比較し、行政・教育・医療等のあらゆる面で、いかに遅れていたかを露呈することになり、「デジタル敗戦」という言葉も生まれました。また、同時に病院・医院・集団検診施設に対する患者・健康者の新型コロナの影響による受診控えが生じ、これら医療環境の大きな変化の今後の成り行きが注目されます。新型コロナ感染症は数年以内には適切なワクチンや特効薬の開発により、終息に向かうと思われますが、情報AI化という巨大な社会変容はポストコロナで逆戻りできるものではありません。

一方、わが国では超高齢化・超少子化・超総人口減少が世界の先端を切って同時進行しています。生産年齢人口が著しく減少するわが国では、国民がこれまで同様に文化的で豊かな生活を維持するためには、ロボット活用、情報のデジタル化、テレワーク等による仕事の省力化・効率化をはじめとした情報AI化の推進が必須です。特に高齢者に対する情報AI教育は喫緊の課題です。

さて、わが国の喫煙者は、減少してきたとはいえ、現在、約2,000万人も存在し、健康被害は膨大で(喫煙による年間死亡者13万人、受動喫煙による年間死亡者も1.5万人)、総死亡リスクの中で喫煙は最大のリスクファクターです。このため、厚労省は喫煙率を2022年までに12%にするという目標値を設定しています。しかし、喫煙率は年々低下していますが、2019年においても18%と目標に遠く及びません。一方、2020年4月1日からわが国では受動喫煙防止法(改正健康増進法)が全面施行され、受動喫煙防止はマナーからルールへと変わりました。今後、この法律施行の成果即ち健康被害の予防効果についての検証が必須です。新型タバコの一種である「加熱式タバコ」はわが国で世界の大半が販売され、我が国の喫煙シェアの30%も占めるようになりました。しかし「加熱式タバコ」の健康被害の実体についての信頼できる臨床データはありません。

そこで、禁煙推進学術ネットワークとして、上記の社会変容を踏まえ、今こそ、禁煙推進も情報AI化する「ニュー禁煙社会」へ移行する絶好のチャンスと捉え、新しい禁煙推進活動を展開すべきではないかと考えます。


<情報AI化時代のニュー禁煙活動:何をすべきか?>

  1. 禁煙推進に情報AIの活用を!
    @ アプリを用いた新しいオンライン禁煙診療の推進
    A ネットワーク活動の全分野のオンライン・デジタル化
     広報活動、学術会議、講演会、情報収集、会議、事務局(テレワーク等)
  2. 2022年までの喫煙率12%の目標達成および新型コロナ重症化対策として、一層、禁煙推進を促進する(特に新規保険禁煙治療法の提案並びに学会・メディア等での禁煙広報の新しい在り方の工夫等)。
  3. ビックデータ(JROAD:循環器疾患診療実態調査)等を用いて、「改正健康増進法の施行」及び「加熱式タバコの普及」がわが国の健康被害を改善するか否かを調査・解明する。
  4. 現在、禁煙推進学術ネットワークは日本内科学会等32学会で構成されていますが、禁煙推進活動増強のため、特に外科系学会等の加入増加を目指す。


<最後に:「ニュ−禁煙社会の創造」>

新型コロナパンデミックによる巨大な社会・生活変容即ち情報AI化を先取りし、タバコのない「ニュー禁煙社会の創造」を目指して頑張りましょう!

会員・関係者・市民の皆様と共に新しいアイデアを出し合い、この2年間ベストを尽くしますので、ご支援のほどよろしくお願い致します。

毎月22日は禁煙の日

2020年9月22日
禁煙推進学術ネットワーク理事長
藤原 久義